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Bi-Quad Antenna の制作工程

最近Biquad Antennaを自作される方が少しずつ増えてきたようです。
参考になるかどうかわかりませんが、私の制作工程をUPしておきます。

1.エレメントの制作
2.リフレクターの制作
3.給電部の制作
4.組立



1.エレメントの制作

Biquad制作工程/エレメント切り出し
直径2mmの銅棒を必要な長さに切り出します。

Biquad頒布/エレメント図
1295MHzメインを中心周波数にする場合は上記の寸法で。
各辺0.5mm程伸ばせば1293MHz辺りに同調します。

Biquad制作工程/エレメント断面
カット面は平らになるようにやすり掛け。

Biquad制作工程/浮き
ペンチを使って折り曲げていきますが、歪みを補正するため平らな場所に置き、浮きを確認・補正を繰り返します。
また、直角になるように曲尺で角度をよく確認します。

Biquad制作工程/エレメント完成
完成


2.リフレクターの制作

Biquad制作工程/基板カット
先ずは基板をカット。
プラスチックカッターで切った方が綺麗に仕上がりますが、大量に作るのでPCBカッターを使います。
サイズは縦12cm、横23.5cm(縦1/2λ、横1λあればOKです。これ以上小さくするとビーム幅が広がりゲインも下がるようです)

Biquad制作工程/基板バリ取り
カット面を紙やすりで仕上げ。

Biquad制作工程/印
穴あけはいきなりドリルで開けようとすると位置がズレたりするので、最初に位置決めします。

Biquad制作工程/ドリル
続いてドリルで穴あけ。
こちらもいきなり太いドリルを使うと、歪んだり、思わぬケガをするので、最初は細いドリル、徐々に太いドリルにします。

Biquad制作工程/リーマー
仕上げはリーマーで。
銅パイプを通す中心の穴は銅パイプとサイズピッタリになるように注意。
大きな穴をあけて銅パイプがゴソゴソになると最後の位置決め・ハンダ付けで苦労します。

Biquad制作工程/磨き
穴あけ完了後、不要な下書きを消す為にピカールで磨きます。
この後半田付けをするので、ピカールが残らないようにしっかり乾拭きしておきます。


3.給電部の制作

Biquad制作工程/パイプカット
8mmの銅パイプを長さ3.5cmにカットします。

Biquad制作工程/パイプバリ取り1
一旦バリ取り。

Biquad制作工程/下書き
エレメント取付用の切り欠きを作る為、削る部分を下書き。

Biquad制作工程/切り欠き
こんな感じ。

Biquad制作工程/パイプ削り
ヤスリで削ります。

Biquad制作工程/パイプ削り2
ひたすら削ります。

Biquad制作工程/パイプ削り3
出来ました。

Biquad制作工程/パイプ削りバリ取り
再度バリ取り。

Biquad制作工程/パイプ磨き
ここで一旦パイプを磨いておきます。

Biquad制作工程/同軸切り出し
3D2V同軸を長さ7cmで切り出します。
実際には6cmでOKですが、コネクタ取付時にミスった場合を考えて少し余裕を持たせています。

Biquad制作工程/SMA装着
同軸にSMAコネクタを装着。

Biquad制作工程/網線折り返し
銅パイプの長さに合わせてカットし、網線を折り返します。

Biquad制作工程/銅パイプセット
銅パイプを被せ、ハンダ付けして固定します。

Biquad制作工程/FX-600
銅パイプの半田付けには高熱になる鏝が必要です。
白光のFX-600を最高温度で使用しています。

Biquad制作工程/こて先
こて先は熱がよく伝わるように少し平たくなったものを使用。

Biquad制作工程/やすり掛け
ハンダがよく乗るようにあらかじめ軽くやすり掛け。

Biquad制作工程/半田付け
SMAMコネクタと銅パイプを同時に加熱。
約20秒加熱します。これより短いとハンダが全く溶けません。もう一度加熱をやり直したりしていると、結局トータルの加熱時間が長時間になるため、同軸内の絶縁部が溶けてインピーダンスが変わってしまいます。
確実に加熱して一発で半田を終わらせる必要があります。

Biquad制作工程/網線ハンダ
最後に銅パイプと網線をハンダ付けします。
銅パイプの内側を約15秒加熱。
一気にハンダを流し込みます。
網線と銅パイプは接触しているので半田付けは必要なさそうな気がしますが、これを省略するとSWRがかなりふらつきます。

Biquad制作工程/給電部完成
給電部の完成。


4.組立

Biquad組立/呼びハンダ
まず、エレメントの接合部に少量の呼びハンダをしておきます。

Biquad組立/エレメント取付
同軸の芯線とエレメントを半田付け(加熱は約15秒)
銅パイプにエレメントを半田付け。(加熱は約25秒)
パイプとエレメントが直角になるように。(なかなか難しい)

Biquad組立/位置決め
エレメントとリフレクター板の距離を調整し、SWRの最も下がるポイントが判るようにパイプにマジックで印を入れておきます。
(かなりゲインがあるので部屋の中では調整は無理ですので屋外で)

Biquad組立/仮止め
パイプとリフレクター板をハンダ付けしますが、まずは一か所だけ仮止めします。
位置(エレメント⇔リフレクターの距離)や角度が微妙にズレただけでSRWが悪化しますので。

Biquad組立/測定
仮止め状態でSWRの確認をします。
問題無ければそのまま全体をハンダ付けします。

Biquad組立/固定
仮止めした場所の反対側から半田付けしていきます。
パイプを加熱しはじめて約25秒程で半田が溶け始めますが、基板(リフレクター板)を同時に加熱すると銅箔が浮いて剥がれる事がありますので、基板に触れないギリギリのところを加熱し、ハンダが溶けだしたら鏝先を基板に接触させることでパイプ・基板を接合させます。

Biquad組立/パイプ固定完了
全周ハンダ完了。

Biquad組立/同調点調整
再度、SWRの確認を行います。
この時、同調点がズレていた場合はエレメントを縮めたり伸ばしたりすることで調整できます。
両サイドから押して横幅を縮めると同調点が下がります。
上下に押しつぶすようにして立幅を縮めると同調点が上がります。

Biquad組立/SWR
SWRが下がらない場合はエレメントとリフレクター板の距離が微妙に狂ったか、斜めになっていると思われますので、両サイドのエレメントをリフレクターとの距離を調整するように動かしてやるとある程度SWRは下がると思います。

Biquad組立/プラボルト位置決め
次に、エレメントを支えるプラボルトの位置を決めます。

Biquad組立/穴位置印
こちらもいきなりドライバーを使うと位置がズレますので、あらかじめキリか細いドリルで印をつけておきます。

Biquad組立/バリ取り
穴が開いたらバリ取り。

Biquad組立/ボルト穴磨き
ここで、プラボルト周囲の下書きを消します。

Biquad組立/プラボルト調整
プラボルトがエレメントを押し上げてしまうとSWRが悪化しますので、アナライザーを見ながらピッタリの高さになるように調整します。

Biquad組立/エポキシ樹脂
プラボルトの固定が出来たら、エポキシ樹脂で固めます。

Biquad組立/全体磨き
エポキシ樹脂が乾燥したらピカールで全体を磨きます。

Biquad組立/さび止め
最後にさび止めスプレーを3回塗りで完成。

お疲れさまでした。
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プロフィール

かつお

Author:かつお
3.11震災を機にアマチュア無線を始めました。
私立文系出身、事務方サラリーマンなので理屈は分からないですが、「とりあえずやってみる」であれこれ実験して遊んでます。

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