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はがね山標準電波受信(JJY)

国立研究法人 情報通信研究機構(NICT)が福島県にある「おおたかどや山」と佐賀県の「はがね山」から電波時計の時刻調整に使われている標準電波を出していますが、今年の3月末までにはがね山の受信報告書を出すと受信確認証(ベリカード)が貰えるそうです。(通常は発行していない)
詳しくはNICTのサイトをご覧ください。

はがね山標準電波は長波(60kHz)ですが、小さな電波時計が難なく受信できているので簡単に聞こえるだろうと思って、自宅のアマチュア無線に使用しているロングワイヤーで聞いてみたところ全く聞こえませんでした。
なにかいい方法は無いかと考えていたところ、AMラジオのバーアンテナが使えるのではないかと検討しました。

フェライトバーにエナメル線を巻き、コンデンサーと組み合わせて60kHzに同調させることを考えました。
調整方法はコンデンサについてはセラミックコンデンサやケミコンが手元にありますのでセラコンとポリバリコンを並列に繋いで容量可変できるようにする。コイルについてはフェライトバーの中心に巻くと容量最大になり端にずらすと容量を減らせるので巻き数と巻く場所で調整することに。
ただ、中波用のバーアンテナは作った事が有りますが、長波に同調させるにはコイルとコンデンサの容量をどういう組み合わせにすれば良いのか全く判らなかったのでゲルマラジオの試作工房さんのサイトにあるLC共振回路の計算を利用させていただき、どの程度の容量の組み合わせになるのか確認しました。
結構な容量が必要そうです。

C(コンデンサ)の容量を小さくするとコイルの巻き数が多くて大変ですが、大きくし過ぎるとコイルの巻き数が少なすぎて微調整が大変そうです。
結局手持ちのコンデンサの都合で0.1μFのコンデンサを使う事にしました。
この場合、コイルのインダクタンスは70.36μHで60kHzに同調しますが、実際に使用するコンデンサを測定すると結構誤差があります。
普段は極力誤差の少ないパーツをより出して使用しているので、手元に残っているのは誤差の大きい物ばかりです(^^;
この際だから使用用途の無いできるだけ誤差の大きいコンデンサを選び出したところ0.13μFでした。
このコンデンサを使用する場合インダクタンスは約53μHです。


JJY受信/フェライトバー
何処にしまい込んだか判らなかったフェライトバーを探し出してきました。

JJY受信/ポリウレタン銅線
ポロウレタン銅線は少々太いですが、大量にある0.5mm線を使用。

JJY受信/マキ
巻いた線を左右にずらして調整する際ポリウレタンが剥げて導通するといけないので、紙の上から巻きました。
どの程度巻けば53μHになるのか検討もつかないですが、とりあえず適当に25回程巻いたところ60μH程度でした。
少し端にズラそうと・・・・
きつく巻きすぎて全く動きません(^^;

JJY受信/やり直し
仕方ないので紙の下にエナメル線を一本入れてまき直し。
巻き終わったらエナメル線を抜くことで少し余裕を持たせました。

JJY受信/測定1
上記の状態でコイルを端に寄せると53μH

JJY受信/測定2
真ん中にもってくると54.6μHでした。

これだけ調整できるのであればコンデンサは固定でも行けそうなのでポリバリコンとの並列は取りやめにしました。

とりあえずコンデンサとバーアンテナはできましたが、実際のところ測定器自体もそれほどシビアな物とは思っていないので、本当に同調しているか確認したい。が、60kHzのJJYを聞いた事がないので受信してもノイズなのか信号なのか判断がつかないと思い、どうやって同調確認するか検討。

つらつら考えていたら、以前おじさん工房から売られていたAPB-3に信号発生器の機能があったはずと思い、引っ張りだしてきました。

JJY受信/APB3
始めて使う機能なのでマニュアル見ながらですが、何のこと無い周波数を指定するだけで勝手に信号が出ました。

JJY受信/調整
APB-3にはダミーロードを付けました。
バーアンテナとコンデンサは並列に接続。青い電線の先にBNCコネクタを付けています。
この状態でICOM IC-705に接続し60kHzを受信。
ピーという音が一番よく聞こえるようにコイルをスライドさせて調整して完成。
因みにおおたかどや山の40kHzはどうかと思いましたが、このLとCの組み合わせでは数kHzズレただけで何も聞こえませんでした。

で、夕方から早速JJYの受信を開始しましたが結構ノイズが多いです。
微かに1秒間隔でピーピーと音が聞こえますが、はたしてこれがJJYなのか?聞いたことが無いので判りません。
毎時15分と45分にモールスでJJY(・---  ・---  -・--)と聞こえるか確認しましたが、庭に出ても聞こえませんでした。

はてさてどうしたものか。
ネットで調べると、JJY受信モジュールなんて売ってるんですね。でも結構なお値段です。
よく見ると小さな基板に発信用のクリスタルが付いていたり、増幅回路も当然あるし、フィルターもあるのかな?
小さな基板に高性能がギッシリ詰まっているようです。
なるほどこれなら小さな目覚まし時計でも簡単に受信できるのか。
という事はせめて増幅回路程度は付けてやらないとウチの環境では難しいかもしれません。
出来ればアンテナ単体で受信したかったので、あまりやりたくは無かったのですが、増幅回路を付けてみることに。

JJY受信/増幅回路
ネットから拾ってきた回路を使用することに。
トランジスタ1個と抵抗だけの簡単な増幅回路です。

JJY受信/ブレッドボード
実際に組立ようとしたら、抵抗が小さな物しかなく、7個も直列になってしまいました(^^;

とりあえずAPB-3を再度引っ張り出してきて60kHzの信号を受信してみたところ、バッテリーの電源ONで音がかなり大きくなることが確認できました。

日が暮れてきたので再度JJY受信開始。
始めは殆ど聞こえませんでしたが、徐々に1秒間隔の音が聞こえだしました。
ただ、数kHz上でノイズが出ており、被りが大きいのとフェージングがあるのか時折信号が聞こえなくなります。
毎時15分、45分のJJYモールスも聞こえませんでしたが、20時を回った頃から徐々に信号が安定してきました。
20時45分のJJYが聞こえなければ今日はもう寝ようと思っていたところ、急にノイズが消えてバッチリJJYが聞こえました。



無事受信完了\(^o^)/
受信報告書を出しておきます。

〈追記〉
受信する際、アンテナをIC-705の上に置いているとIC-705のノイズをかなり拾います。リグとアンテナは離した方がいいですね。
また、電池ボックスに手を近づけるとかなり大きなノイズがでます。
動画撮影はiPhoneで行いましたが、iPhoneもノイズがでているので少し離れて撮影しています。

〈さらに追記〉
折角なのでちゃんと組み立ててケースに収めました。
JJY受信/ケーシング
バッテリーはCR2032でコンパクトに。
抵抗も購入しました。
百均のバンドエイドケースです。

〈2022/3/17追記〉
本日ベリカードが届きました。
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プロフィール

かつお

Author:かつお
3.11震災を機にアマチュア無線を始めました。
私立文系出身、事務方サラリーマンなので理屈は分からないですが、「とりあえずやってみる」であれこれ実験して遊んでます。

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